殺ダニ剤の残留実態調査

2022年4月発行の『食品衛生学雑誌』第63巻第2号(日本食品衛生学会編)では、2015年から2021年に作られた、日本産及び輸入はちみつ中に、殺ダニ剤の残留が確認されたことが報告されています。

 

この検査では、2015年に生産されたニュージーランド(NZ)のはちみつ7種も対象とされました。このうち5種から殺ダニ剤の残留が認められ、その濃度は、はちみつ1キログラムあたり1.1マイクログラム(=0.0011ミリグラム)から4.1マイクログラム(=0.0041ミリグラム)でした。日本で定められた殺ダニ剤残留の一律最大残留限(MRL)が1キログラムあたり0.2ミリグラムですから、NZ産はちみつから検出された値は、日本の法定最大値の0.02%以下に過ぎません。(3) NZのはちみつ中の殺ダニ剤MRLは、1キログラムあたり0.01ミリグラムと、日本のMRL20倍厳しい値が定められています


(1)大場由実 et.al(2022)「はちみつ中における殺ダニ剤の残留実態調査」『食品衛生学雑誌』第63巻第2号. 公益社団法人日本食品衛生学会. 東京都健康安全研究センターによる調査報告。この調査結果の概要は「蜂蜜の殺ダニ剤に注意」のタイトルで『食品と暮らしの安全』(NPO法人食品と暮らしの安全基金刊)2022年6月号 (No. 398)に掲載されている。

(2)東京都健康安全研究センターが調査対象とした殺ダニ剤は、アミトラズとプロパルギットの二種類のみであると考えられる。
(3)Miticides registered for use in NZ include Fluvalinate (Apistan®), Flumethrin (Bayvarol®), Armitraz (Apivar® ,Apitraz®), formic acid(FormicPro®),thymol and other essential oils (Apiguard®, ApiLifeVar®), and generic variations of oxalic and formic acids.

殺ダニ剤の残留実態調査 | 更新 2022.10.26